映画『ヤンヤン夏の想い出』(英題:Yi Yi: A One and a Two)は、2000年公開の台湾映画。監督は、エドワード・ヤン氏です。
カンヌで監督賞を受賞するなど、国際的に高い評価を受けています。
タイトルからは、子供向けなのかなと想像されるかもしれませんが、そうではなくまったくもって洗練された映画です。
台湾のある一家の問題から台湾全体を映し出したかのような、普遍性をもった作品です。
登場人物のすべてが悩みや問題をかかえ、それぞれの葛藤が観るものにたいへん身近に迫るものがあり、こみあげてくるものがあります。
ある時代の、台湾という外国。
現代の日本からすると遠く離れた特定の時と場所を描いた映画でありながら、切実なものを
感じさせてくれます。
なにやら抽象的な感想しか書けず申し訳ございません。
ストーリーを説明してしまうと、わたしの語彙力ではひじょうに陳腐なものになってしまい、魅力を感じさせなくなってしまいそうなのです。
主人公ヤンヤンの父親と、日本人プログラマー(イッセー尾形演じる)との友情は、静かにあついものがあります。
ヤンヤンという少年から見た映像は、とてつもなく美しいです。
「みずみずしい」という形容がなされることが多いエドワード・ヤン監督の映像は、感性がとてもすばらしいことを意味しているのだと思います。
いまはもう無くなってしまった熱海のホテルが出てきたり、イッセー尾形さんが出ていることもそうですが、日本人として嬉しくなるような要素がふんだんにあるところも魅力です。
まったく言葉が足りず魅力を伝えきれないことに、もどかしさを感じますが、これはなにか論じてしまうとまったくもって無粋なかんじになってしまうし、魅力を落としてしまうように思うのです。
しかし、真におすすめできる映画である、ということは間違いありません。