便器に吸い込まれた男の嘆き

便器に吸い込まれてしまった。

正確には、吸い込まれそうになった、と言いたいのだけれど、事実はそうではなかった。
吸い込まれてしまったからである。

なぜというに吸い込まれる前に自分の身体がとても小さくなり、大水の最中に巻き込まれてしまったからなのだ。

自分の身体が小さくなったのは、この地下水道において、あらゆるものが巨大に見えることから明らかなのだ。だが不思議と臭気を感じない。何かしら身体の構造が大きく変わってしまったからなのだろうか?

なんでこんな目に、とは思わなかった。ただ、驚いているだけなのだ。

生きていればどんなことが起きても不思議ではない。しかし、しかしである。

まさか自分が便器に吸い込まれてしまうとは思わなんだ。



いったいどうすればいいのでしょう?

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